若い整骨師の肖像

via wwalnuts社

平出隆archives

《若い整骨師である詩人は、この詩集のなかで、スピノザのように、観察し、思考する。彼はマシナリーな領域のなかでおこる、意識の自己組織的な働き(観察や捕食や交尾や出産が、それを媒介する)のなかから、エチックをとりだそうとする試みにかけているという点において、まったくスピノザ的であると、ぼくは思う。ぼくたちの周囲に浮上しつつあるのは、「死せる祖父たち」の見たこともないような、異形の自然なのだ。しかもマシナリーの流れを阻止する堤防を築くことさえ、不可能だ。この異形の自然のなかに生きながら、そのまっただなかから新しい主体性の形成をめざすヴィジョンと表現が、いま必要だ。彼はそのことを、日本の詩人たちの誰よりもすばやく、正確に理解した。》 中沢新一「この完璧の鈴をふれ」(『ケルビムの葡萄酒』所収)

Portrait of a Young Osteopath